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大盛屋 チェリカフェニックス 日産 セドリック [セドリック]

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今回は王道的象徴的モデルです。

どのコレクションの世界にも必ずその中での象徴的存在があります。それらはコレクターにとって高根の花であり、同時にあこがれの存在でもあります。そしてそれらを手にする事はコレクションの一つの到達点でもあります(同時にそこから先の泥沼の世界の入り口ともいえますが)。
例えるなら怪獣プラモで言うと電動ゴジラであり、ブリキの車ならマルサンのキャディラックのような存在です。ミニカーで言うならコーギーのバットモービルやスポットオンのロイヤルロールスロイスといったところでしょうか。
なら国産では?というとこのモデルになると思います。

アホな前置きが長くなりましたが、今回のモデルは大盛屋チェリカフェニックス製日産セドリックです。
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国産コレクター特にアンチモニーに魅せられたコレクターにとって大盛屋のセドリックはけして無視することはできない存在です。人気・稀少度は共にトップクラスで、1台入手しても何台でも欲しいと思わせる希有なモデルです。
モデルは1963年より登場し、ダイヤペット版を含めると65年まで生産されました。
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セドリックに限らず大盛屋の国産高級車の魅力は極端なディフォルメにあるとおもいます。実車と比べると低く長く幅広く表現されており、一見するとどこのアメ車かと思えるくらいの高級感を醸し出しています。そのためプロポーションとしては前回のファインモデル版の方が実車に即しています。しかし仮に大盛屋のセドリックがファインモデル並みのプロポーションだったとしても今のような人気を得ていたとは余り思えません。
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大盛屋のセドリックは生産期間の短さの割にバリエーションの多いモデルで、大まかに分けても5種類のバリエーションがあります。今回紹介しているモデルは最初期の仕様で、初期モデル特徴のグレータイヤにサスペンションは後部のみで通称赤エンジンと呼ばれる別パーツのエンジンを搭載しており、更に最初期型の特徴としてシャシーがメッキの下地処理のみになっています。
バリエーション展開としては、
最初期型

シャシーを塗装したものに変更(グレータイヤ赤エンジン)

タイヤを黒タイヤに変更(黒タイヤ赤エンジン)

エンジンを一体成型の物に変更し、前部にサスペンションが追加される(1st銀エンジン)

前後グリルを64年式に変更される(2nd)

この様な形で変更されています。またダイヤペット版に変更の際も前後部分が微妙に変更されています。色バリエーションでは黒・ブラウン・ライトブラウンメタリック・シルバーメタリック・ブルーグレーメタリックが確認されており、シート色は青もしくは緑でした。各仕様に色・シートバリエーションがあることを考えると、総バリエーションとしてはおそらく20種程度はあると思われます。またエラー品として何故かグロリアのエンジンを載せた仕様(逆もあり)も存在します。派生バリエーションとしてはパトカーとタクシーがありますがどちらも非常に入手困難なモデルで、特にパトカーはコレクションの最終目的の一つといってもいい存在です。
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箱にも2種類あり初期のタイプはセドリックのスペルがCEDRICのところをSEDRICと間違えており、後にスペルが訂正された箱になります。グロリアにはありましたが輸出仕様の箱があったかはまだ確認できていません。

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Ponys41

いつにも増して気合いと思い入れのこもった記事、堪能させて頂きました。
古(いにしえ)のモデル、仰る通り実車の特徴を捉えたデフォルメが得難い魅力となっている物が存在しますよね。・・・それにしてもトミカの230といい、どうしてセドリックは入手困難になるモデルが多いのでしょうか?
by Ponys41 (2011-07-31 22:36) 

miru2009

>Ponys41様
ミニカーコレクターの場合模型的視点で見る人とおもちゃ的視点で見る人とでは評価はまったく違ってきますが、この車の場合はセドリックではなくて大盛屋のセドリックという別のカテゴリーとしてどちらからも好かれているようです。

セドリックの入手困難さですが、
クラウンと比べてもセドリックの方がマニアには人気のある車ですが、当時のメインターゲットである子供にはあまり人気のある車種では無かったということが考えられます。
特に230・330に関しては生産時期の短さからパトカーやタクシーの素材程度にしか考えられていなかったのかもしれません。

少なくてもダイヤペットといいトミカといい何故か香港と縁のある車種だったのは間違いありません。

by miru2009 (2011-08-01 18:55) 

genzaburo

初めまして。ブログ楽しく拝見させていただいております。
赤エンジン、無メッキシャーシ、損傷のないグレータイヤ、綴り間違え箱と4拍子揃った大盛屋H31セドリック、まさに大盛屋のセドリックのなかでも最高峰、すばらしいお品ですね。お値段も1ヶ月分のお給料以上でしょう。私も同じ大盛屋のセドリックを所有していますが愚品ばかりでうらやましい限りです。
ダイヤペットのH31はR40系クラウンと異なり大盛屋の鋳型を使い回さず、新たに作った鋳型で作られているため実車に近く縦長です。でも大盛屋のH31の方が実車よりも魅力があるはなぜでしょうか。H31パトカーも同じで、大盛屋の方が低く長く作られ、赤色灯も本物サイズ、ボンネットのひげもついているので、ダイヤペット、ファインモデルのH31パトカーより遙かに魅力的です。

もしおもちゃ遺産なるものがあれば大盛屋のミニカーたちはみな登録間違えなしの逸品になることでしょう。


by genzaburo (2011-08-07 09:11) 

miru2009

>genzaburo様
いらっしゃいませ。まとまりが無く見づらいと評判のこのブログですが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。

価格は・・・・少なくても婚約指輪よりは安価ですのでご安心ください(笑)。

ダイヤペット版はさすがに所有しておりませんが実物を何度か見て思ったのは、好みの問題ですがタイヤバランスは大盛屋より優れていますがフロントタイヤの位置がフェンダーよりやや後方になっているのが気になりました。
しかしマイナーチェンジといえ金型をあれだけ大幅に変更しながら、1年ももたずに絶版にするあたりは潔いというかもったいない話です。

by miru2009 (2011-08-07 10:50) 

だめおやじ

商品の箱に間違えて記載されてるのありますね。
チョロQの西部警察セットNO.3に鳩村刑事が乗っていたオートバイのカタナがありますがカタナは漢字で「刀」ですがそのチョロQの西部警察セットNO.3の箱は「刀」ではなく「刃」と書いてあります。
「刃」だと「ハ」ですね。「刀」と「刃」は似ているから間違えたんでしょう。
他にもあるでしょう。

あと大盛屋チェリカフェニックスのミニカーは値段が高いので持っていません。
これに手を出すと一文無しになってしまうのでアドバンスピリットとアオシマとトミカリミテッドヴィンテージで我慢しています。
これだけでも大変なんですが。(笑)
by だめおやじ (2011-08-23 09:40) 

miru2009

>だめおやじ様
こっちの水は甘いですよ~♪(泥沼へのお誘い)

さて1950~80年代はこういった間違いはよくあることでした。箱の字の間違えなんて可愛い物で中には設計段階で違う車を使ってモデル化してしまうなんてこともありました。
今でこそあり得ない話ですが、当時はこれがまかり通ったと考えると本当におおらかな時代だったと思います。
by miru2009 (2011-08-23 19:36) 

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